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2025/06/11 09:55


IKKAKU vol2 の出店者紹介。

出展期間:6月25日(水)~7月8日(火)

IKKAKU担当・佐伯が、玄窯の齊藤博之(玄窯)さんと出会ったのは2年ほど前にコーヒーカップを購入させていただいたのがきっかけでした。寒い時期に齊藤さんのカップで飲む温かいコーヒーは自分にとって格別です。いや、コーヒーが格別というよりは、その時間も含めて特別という表現のほうがしっくりきます。形や大きさはいたって普通のカップですが、2年間使用したそのカップは最初と比べるといくらか色も変わり味が出てきました。そんな齊藤博之(玄窯)さんが植木鉢も作っておられるのは知っていましたが、今春リリースされた“ドリッパー型の植木鉢”に感銘を受け、IKKAKU出店のお願いをしました。

昨今の植物業界はというと…コレクション性が高く珍しく、高価なものが流行しているように思います。しかしIKKAKUが提案する植物の楽しみ方はそうではなく、自分が愛情を注げる範囲内のお気に入りの数株を、最大限愛でてあげるという楽しみ方です。

コーヒーを淹れるとき、ドリッパー内のコーヒー豆にお湯がいきわたるのを頭で想像します。ぶくぶくとガスが抜けてくるのを待ち、再度円を描くようにお湯を注ぐ。お湯が落ちきったら再度お湯を注ぐという行為を繰り返し5分ほどかけて一杯のコーヒーを淹れるという楽しみがあると思いますが、その行為を疑似的に植物への水やりでも再現できるのがこのドリッパー型の植木鉢です。土全体に水がいきわたり、土に張った根っこたちがそれを吸い上げ、それを栄養に植物は育ちます。そしてコーヒーを味わうように、日々植物の成長を眺めちょっとした変化をみて“愛着”が生まれる。本来あるべき人間と鉢植えの植物の関係性を思い出させてくれる素晴らしい作品です。

器と鉢、異なる世界でも同じ理念でものづくりをされている齊藤博之(玄窯)さんの作家としての作風は説得力を増してメッセージ性を訴えてきます。

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『愛着の種をまく』

器は長く愛用していると使う人の手に馴染んでいきます。やがては暮らしの道具から“おじいちゃんの湯呑み” “お父さんの茶碗” など人を表すモノへと変化し、茶渋さえも愛おしく思えるかけがえのない器になるのだと思います。

誰の作品かはわからないけれど好きでずっと使っている。そんな風に思ってもらえる ”うつわ” を作りたいと思っています。