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2025/06/20 08:05


IKKAKU vol2 の出店者紹介。

樫原 ヒロ
出店期間:7月2日(水)~8日(火)
※「メレ」…7月2日(水)から、「ジュテ」…7月5日(土)からの販売となります。
※商品がなくなり次第終了とさせていただきます。

~樫原ヒロと陶芸家古賀文博の関係性~

2024年3月、博多阪急内で同時期に違うフロアの違う企画に出店していたふたり。私IKKAKU担当・佐伯は6階ステージ6で古賀文博展の担当をしていた中で、8階で素晴らしいカトラリー作家さんを見つけたと古賀文博氏が目を輝かせていました。お互いに作品を購入しあい、会期中に意気投合していたふたり。IKKAKUへの参加も古賀文博氏が樫原ヒロ氏を誘ってくださり出店がかないました。もちろん古賀文博氏も今回のIKKAKUに「羊と山羊」から出店いたします。

一見ふたりはまったく異なる作風のように思えます。古賀さんは、どちらかというと男らしくワイルドな表情で樫原さんは、繊細で中性的な印象を持ちます。 そんなふたりの最大の共通項、それは共に経年変化・エイジングに重きを置き、“育てる”作品を作っているという点。“器とカトラリー”、アイテムこそ違えどものの作り手として根幹の部分が共鳴しあったのだと思います。

樫原さんの作品で実際に食事をすると、今まで使っていたスプーンやフォークと比べ、柄の部分がとても細くなんとも曲線の美しい成型のものばかり。また美しいばかりでなく、スプーンが手の延長になったような、フォークが自分の体の一部になったような感覚が得られます。カトラリーにまで神経がいきわたった感触は、使い手にしかわからない独特の使用感があります。

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樫原 ヒロ
カトラリー作家
“育てるカトラリー”をコンセプトに、テーブルの小さな脇役を制作しています。妻に贈る一本を自作したことから、カトラリーとの歩みが始まりました。

変わり続ける表情の美しさ
私のカトラリーは傷やシミ、色のムラを味わいと捉え、良しとしています。完璧で傷ひとつないもの、それもまた素敵ですが、カトラリーはあくまで生活の道具。どうしても使う内に傷ができ、少しずつ表面が曇ってしまうものです。傷がない状態が最も美しいとするなら、使ううちに価値が下がるように感じてしまうのではないでしょうか。使ううちに愛着が湧き、使い手にとって価値が上がっていくものづくりとはなにか。考え続けた結果、エイジングを前提とした作品に辿り着きました。

使うことで作品に成る
作り手から使い手へ受け継がれ、日々使い込むことで徐々にエイジングし、その人にしか出せない風合いへと変わっていく。くすみ、色が剥げ、傷がつき、“ああ、あれを食べた時についたシミだな”と思い出のシミが増えるたび、使い手にとって離し難い大切な宝物へと変わっていく、そんな道具と過ごす生活が始まります。ぜひあなたの手で、世の中にたった一つの作品に育ててください。

形に込めた思い
フォークやスプーン、お箸は食べ物を直接口に運ぶための道具です。生きるために、食べる行為のために作られた道具をキャンバスと捉え、作家自身が美しいと感じたものを落とし込むことで、普段の何気ない生活の中にかけがえのないものが潜んでいることを表現できればという思いで制作しています。