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2025/10/17 11:40



見た瞬間、思わず「古い株かな」と感じる。
けれど実際は、まだ若く実生からおよそ5、6年ほどかと思われます。
このオベサは、古さではなく質感で深みを表現するタイプです。

表面には淡い緑の中に褐色が重なり、まるで時間が描いたような階調が浮かび上がる。
光の角度によって模様の濃淡が変わり、静かな存在感を放ちながら空間に溶け込みます。



まん丸の均整と安心感


全体的に理想的なまん丸 球体で、上から見ても横から見ても整ったシルエット。
稜の詰まりがよく、全体の重心が安定しています。
大株の基準でもある最大幅7cm未満ではありますが存在感があり、置く場所を選ばず、どんな空間にも馴染む。
“派手ではない美しさ”が、時間とともに深まっていくようです。




紋様のような肌


表面にはネイティブ調のような模様が自然に浮かび、古陶を思わせる質感を感じさせます。
これは年数によるものではなく、DNAの影響が大きく、それに環境、育成法など様々な要素が生み出した自然の表情。

若いのに、どこか落ち着いた雰囲気を持つ。
この“古感”は、単なる見た目ではなく、古い歴史でDNAが刻んだリアルなテクスチャーです。



静寂を纏うオベサ


派手な造形や変化を求めない。
それでも、見れば見るほど引き込まれる。
完璧な球体の中に潜む美しい紋様が時間の流れを感じさせます。

“動”ではなく“静”で魅せる。
その静けさこそが、この株の本質です。

今回は古賀文博さんの鉢でコーディネイトしました。
※鉢はスタイリスト私物