BLOG
2025/12/15 22:58
トリプルヘッドという成立

三頭すべてが独立した成長点を持ちながら、同一個体として成立している非常に稀なマザープランツ株。
単なる群生ではなく、各頭が綴化を伴いながら形成されている点に、この株の特異性があります。
個体全体としてのバランスを崩さず、三方向に張り出す構造は、長い時間をかけてのみ成立するものです。
綴化と捻じれが同時に進行した形跡


各成長点には明確な綴化傾向が見られ、加えて捻じれを伴うことで稜線は規則性を失い、複雑な凹凸を形成しています。
これは成長点が安定しないまま更新を続けた証拠であり、結果として人工的な造形を思わせる立体構造へと到達しています。
同じ形に再現されることはまずありません。
マザープランツとしての存在感

基部は完全に木質化しており、長年にわたって栄養と成長を支えてきた痕跡が明確に残っています。
この木質部の入り方は非常に良好で、単なる老化ではなく、強健な成長履歴を示すものです。
上部の異形と下部の安定した構造、その対比がこの株の完成度を一段引き上げています。
生きる彫刻としての評価

三頭綴化・捻じれ・木質化という要素が同時に成立した個体は極めて希少です。
鑑賞価値だけでなく、構造そのものを観察対象とできる点において、本株は「生きるアート」と呼ぶに相応しい存在です。
コレクションの中心に据えることで、他のオベサとは明確に異なる軸を生み出す一株です。
※鉢はスタイリスト私物
An extremely aberrant triple-head Obesa.
All three heads are fully crested, with additional twisting, forming a true mother-plant structure.
The deep, well-developed corking tells a long story of growth and time.
More than a plant—this is living art.
超異型三頭布紋球。
三個生長點全部呈現綴化,同時伴隨扭曲,是非常典型的母株型態。
木質化層次深又自然,可以清楚看出長時間累積的結果。
這已經不只是植物,而是一件活著的藝術品。


